アンカマンカサヌリワタ
おやっとさぁ!鹿児島市のトークセン専門店【トークセン・ビハーラ】の折田です。
今回は、日帰りで福岡へ足を運び、とても貴重な学びを得てまいりました。
受講したのは「アンカマンカサヌリワタ」という講座。
講師はITM(International Training Massage School Chiang Mai)公認のヒロ先生です。
この講座では、タイ古式マッサージの中枢をなす「セン理論」に特化して、驚くほど詳細に解説がなされました。
⸻
セン理論──“いのちの流れ”を読む学問
一般的なタイマッサージスクールでは、セン・シップ(10本の主要なセン)の名前や大まかな位置関係は学びますが、実際にその理論がどこから来て、何を意味し、どのように使うのかという深部までは踏み込まないことが多いのが現実です。
実際、チェンマイの現地スクールでもここまで深く学べる講座はほとんど存在しません。
今回の講座では、タイ伝統医学の医師たちが継承してきた理論的背景・身体観・哲学的解釈を、丁寧にひもといてくださいました。

学びの中で、見えてきたもの
ヒロ先生のお話は、「タイ古式マッサージはセン理論に始まり、セン理論に終わる」という言葉にすべてが集約されていました。
まさにその通りで、単に「押す・伸ばす・ほぐす」といった技法の裏には、人体のエネルギー構造や**四大元素論(土・水・火・風)**が深く関わっており、それを読み解くためにはセンの理解が不可欠なのです。
わたくしも、長年タイ古式に携わってまいりましたが、今回のような体系的かつ論理的な講義を受けたのは初めてです。
しかも、それを日本語で聴ける貴重な機会だったのです。
⸻
タイ伝統医療の継承と、言葉の壁
今回のような講座は、どうしてもタイ語でしか伝えられていない情報が多く、
「知りたくても質問ができない」
「理解したいのに翻訳されていない」
というジレンマに、多くのセラピストが直面しています。
この講座は、そういった現場の課題に対し、日本語での丁寧な翻訳と補足がなされ、
本当に知りたかった“核心”に触れることができる構成となっておりました。

最後に
今回の学びを通して、あらためて「タイ古式マッサージとは何か」を見つめ直す機会になりました。
そして、セン理論という壮大な体系は、ただの民間療法ではなく、
命の哲学であり、生きるための知恵であることに気づかされます。
このような講座が、これからも定期的に開催され、多くのセラピストたちの手に渡っていくことを心から願っております。
———
🧭 タイ古式マッサージにおけるセン施術に興味のある方は
✴ センと筋膜の関係もまとめています